【本好きの下剋上】読了・感想
こんにちは。みそじる(しゃとろん)です。
ここ二週間ほど、休日や帰宅後など家にいる時間はずっと読書をしてました。
初めて読んだのが約3年前でしょうか。その時すでに完結していたので、最後まで一気読みしてしまい、あまりの面白さと後を引く読後感に、すぐさまもう一度読み返したおぼえがあります。
アニメ化するとの情報を見て、ふと読み返したくなったのは良いんですが……これとんでもなく長いんですよ。
全677ページ。文字数にして約568万字。小説の単行本一冊が約10万字と考えると、約57冊分。そりゃ長いはずです。余暇の時間のほぼすべてを使っても読了までに2週間かかるわけです。「ちょっと読み返してもようかな」なんて軽い気持ちで読むには大作過ぎましたね。でも面白かったので後悔はしてません。
あらすじ
現代の日本で生活している「本須麗乃(もとすうらの)」 は、
念願である図書館への就職が決まったその日に亡くなってしまう。
もっと多くの本が読みたかった、そんな未練を抱いたままの彼女は
気が付くと異世界の幼女マインとしての身体を持って意識を取り戻した。
物語の舞台となるのは 魔法の力を持つ貴族たちに支配された
中世のような異世界の都市エーレンフェスト。
厳格な身分制度の中、現代日本の知識を持つ少女マインが、
本を手に入れるために奮闘する。(アニメ公式サイトより)
感想
主人公の性格が突き抜けていて、読んでいて気持ちのいい作品でした。
世に言われる“なろう系“と呼ばれる要素(異世界転生・現代知識無双・またなんかやっちゃいました?等)が多分に含まれていますが、それでも不快感が全く無かったのは、多分主人公がやらかしたときにきちんと叱られているからなんじゃないかなと思います。
主人公マインは現代知識を持った転生者で、平民の中でも特に貧しい貧民として生まれます。その後、商人と関わり、神殿と関わり、貴族と関わっていくことになりますが、平民には平民の常識があり、商人には商人の常識があり、神殿や貴族にもそれぞれの常識があります。それらのすり合わせが出来ていないため、数々の問題を起こしまていくのですが……。そのたびに、周りにいる人達に叱られたり、戒められたりして、その場のルールをきちんと学んでいく。そのあたりに主人公の人間的成長が見られるのが、ほかと違う良さなのかなと。
アニメ化された他作品を読んでいると、主人公の前世がきちんとした社会人であることが多く、そういった設定のなかでは精神的な成長を描くことが難しいみたいですね。
そんな中、異世界であっても文化や常識は一つじゃないとして、それぞれに順応する様を丁寧に描いたのは上手な方法だなと思いました。
最後は完全無欠のハッピーエンドですので、読後感も心地よかったです。無事に最後の展開を迎えた安心感と、「もうちょっとだけ読んでいたいな」とあとを引かせる終わり方は、長編小説としては最高の終わり方ではないでしょうか。
読み終わったあとに、短編や番外編を求めて作者ページに飛んだのは自分だけではないはずです(笑)。
アニメ化についての不安
なろう版原作はとても素晴らしい出来で、アニメ化するとの情報も嬉しいんですが、いくつか不安があります。
まずは長さ。単行本57冊分をアニメにするには、いったい何クール必要なのかを考えると、とても最後までアニメ化されるとは思えません。
PVにて“記憶を覗く魔術具”を使う描写がありましたので、そこまではやるのでしょうけど、あれ第2部の中盤なんですよね。(全5部) まさかそこで終わりなわけないでしょうが、かと言って第2部を全部やったとしてもバットエンドっぽい終わり方なので、あまり切り良いとは言えません。
第3部までが尺的にちょうどいいような気もしますけど、昏睡状態から目覚めて終わりってのもどうでしょう……。第4部で終わるのはファンが許してはくれないと思うので、そう考えるともう全部やるしか最善策はないような……。でも尺が足りないのは確実なんですよね。困った。
希望としては、完結済み作品のアニメ化なので、 鋼の錬金術師みたく1年くらいで全話やってほしいです。
あとは作画。コミカライズの作風はとても良かったんですよ。キャラクターデザインは文句なしに良く、作画全般もレベル高かったので。Kindleで全冊衝動買いしましたし。
でもPV見る限り、コミカライズとは作風が違っていて、ちょこちょこ不安定な部分があります。まだPVだけなので、通して見れば気にならない程度かもしれませんが、少しだけ不安です。
総括
主人公マインのように、読書に没頭して他のことに手がつけられなかった2週間。社会人になってからは少し活字離れしていましたが、改めて読書の楽しさを思い出しました。書籍版が第4部の7巻まで発売されているようですので、そちらを追ってみようかなとも考え中です。
未読の方にはぜひとも読んでもらいたい作品です!
おしまい。